祈りにかえて

雑感雑記の文章練習・読書日記・調べもの進捗報告書/140文字以上用メモ

『生きている理由』、『男装の麗人』、『アーダ』、『村上春樹 雑文集』

 びっくりするほど本が読めていない。というか家にいるときはPCを見ている気がします。ヤバイ。というわけでこの日記はしばらく書いていきます。

 『生きている理由』の「玩具」の解釈が面白い……というか、この本は結構「川島芳子の基礎情報」はしっかりとらえているので、どこがフィクションなのか私にはわからなかった。いや小説の時点でそれはフィクションなのだけれど、あくまで大きく史実から脱線しない、事実と事実の合間を想像で埋めていく堅実な小説なのかな、と思っていました。「玩具」という言葉が芳子を指していないというのはフィクション的解釈だなぁと。どうなるんだろう。来年つづきが出るみたいですけど。この本も結局数十ページしか読めず。あと『男装の麗人』をぺらぺらしました。これは村松友視の著作のほうです。

 『アーダ』のリュセットが入水するときの支離滅裂な文章、だんだんと意識が混濁していく様がえがかれていてすごい。

荒れ狂う大波や、飛沫と暗闇と彼女の触手のような髪――ショ・ク・シュ――を通してどっちを見ればいいのかわからなかったせいで、客船の灯りは見分けることができず、容易に想像できるたくさんの目がついた巨体は無情にも勝ち誇って力強く後退していったのだ。次のメモをどこかに失くしてしまった。

 あった。

 空も無情で暗く、彼女の身体、頭、それにとりわけあの忌々しい乾いたズボンは、 夜の海 ( オセアヌス・ノクス 、ノ・ク・ス、でずっしり重くなっていた。冷たい海水が叩きつけられて飛沫をあげるたびに、アニスの香りがする嘔吐感がこみあげ、首筋や腕には次第に間隔、いや感覚がなくなってきた。己を見失いはじめると、彼女は遠ざかりゆく一連のリュセットたちに対してーー鏡の錯視による退行の中で次から次へと伝えてくれと言いながらーー死とはつまるところ孤独の無限の断片をより完全に拾い集めたものに過ぎないのだ、と教えてやるのがいいと思った。

 (ここだけ抜き出すと単なる支離滅裂なんですけど、『アーダ』ではだんだんと支離滅裂になっていく)

 と、ここまで書いて気付きましたが、「次のメモをどこかへ失くしてしまった」という言葉はこの物語=手記を書いている主人公ヴァンの言葉なのだから妹の死に動揺して書いている、という解釈でもありうるのか?それとも両方なのだろうか。

 

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『村上春樹 雑文集』がおもしろすぎて溜息をついてしまった。やれやれ。